これまでのこと ~今はまだ公務員です
東日本大震災が起きた直後の4月、私は某県の公務員になった。
日本中が悲しみと混乱に飲み込まれていたあの春、大学院を出て、ある専門分野の技術系職員として(いずれ具体的に書くかもしれないけれど今日は伏せておく)採用された。あの時期だったからか、「公務員」になった責任や重圧をビリビリと感じたのを覚えている。そして、その感覚は、微弱な電流のような感じで、今もお腹の底の方でずっと残り続けている。
とは言え、私の仕事は、一般の人が抱く「公務員」のイメージとは、少し違うかもしれない。
作業服を着て、ヘルメットを被って、現場を歩く。地域住民の苦情や相談をその場で受けることも多い。
胃が痛くなるようなことも多々あるけれど、やりがいは感じてきた。
そもそもこの仕事に就くのは、高校生からの夢だった。休日にとあるワークショップに参加したときに、ボランティアで来ていた県職員の人たちを見て、憧れた。この分野で、こんな風に働きたい!そう思った。
そうなるために、大学を選び、大学院まで出た。
たぶん、こんな思い入れがあって入庁した人は、そうそういないだろうなと思う。
それなのにどうして、辞めるのか。
簡単に言えば、思いがあるからこそ、責任を感じるからこそ、やっていられなくなった、という感じかな。
税金を使って「県民全体に奉仕する」はずの自分たちがやっていることは、実は県民への裏切りなのではないか、と思えることが多すぎて、辛くなった。
罪悪感みたいなものが積み重なって、モチベーションが落ちた。技術者倫理を捨ててまで続ける気がなくなった。。
詳しくは追々、書けたら書いていこうと思う。
さて、そんなこんなで退職をはっきり意識し始めたのが今から一年半前くらいだろうか。
もちろん最初は、漠然とした思いだった。
それが色々を経て、先月、今年度一杯での退職を上司に申し出た。
今はまだ公務員。でも終わりが見えてきた。
次回からは、一年半前からの色々を少しずつ書こうと思う。